LOVE カヌチ
『LOVEカヌチ』へのようこそ!
日記が主流ですが時々、創作SSだったりオリジナルを上げてます。
是非、読んでってくださいね☆
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7月7日は七夕。
年に一度、織姫と彦星が出会える日。
「おじいちゃん、竹笹取ってきたよ~」
アキは取れたての笹を抱えて家に入る。
「おかえりアキ!
竹笹なんてどうするの?食べるの?」
オルタが目を丸くして聞いた。
「そうそう、パンダみたいにムシャムシャって、んなわけないだろ!」
すっかりお兄さん気取りのシンがつっこむ。
「そっか。オルタは知らなかったか。
7月7日はね、織姫様っていう綺麗な女の人と彦星様って言う男の人が年に一度会ってもいいよ
って言われてお星様の川でお話したりできる日なの。
『たなばた』っていうのよ」
「ふぅん、で、笹は?」
「その七夕にね、竹笹にお願い事を書いて川に流すと書いた事が叶うんだって」
「へぇ~」
「・・・あーもうっ、早速書こうぜ、オルタ」
「うんっ!」
「おぉ、立派な竹を選んできたんじゃのぉ~」
家の奥からおじいちゃんが顔を出した。
引き続いてカスガさんも顔を出す。
「見事だな」
「えへへへ、頑張っちゃいました」
「うんうん、立派じゃ。さてワシも書くかのぉ」
「では私も・・・」
「あ~カスガさん。書く前に手伝って欲しいんですけど。
笹を立てて、飾りつけの手伝いをしてほしいんです」
「うむ、分かった」
机ではあれやこれやとおじいちゃん達がはしゃいでいた。
「これが終わったらゴハンにしますね」
「・・しかし、いいもんだな」
「え、何がですか?」
カスガさんがつぶやくように言った。
普段は真顔な彼の顔が穏やかになっていた。
「こうしてアキの手伝いをして、傍らではシンやオルタが騒いでトウラ殿がいて。
家庭的だと思う」
何気ない一言に顔中が赤くなる。
「か、家庭的!?」
「幸せな家族の絵のように感じるのだ」
冷静になれば確かにそうだった。
オルタはカスガさんに懐いているしおじいちゃんは信頼してくれている。
シンはライバル視してるようだけど・・・
「ふふ、そうですね。
あ、その飾りで最後です」
「そうか、もう終わったか」
「おつかれさまでした」
脚立を降りるのに差し出された手に甘える。
降りようと足を下ろすと抱きかかえられすんなりと地面に着いてしまった。
「あ、すいません」
「構わぬ。さて、我々も書くとしよう」
「はい!」
「出来たー!!」
最後の一枚を書き終えて全員が手を叩く。
「さて、あとは笹にくくりつけるだけだけど。
おじいちゃんは何て書いたの?」
「わしか?ワシは、ほれ『みなが健康でありますように』じゃ」
「うん、いいね。カスガさんは?」
「トウラ殿と似ているな。『幸せでありますように』だ」
「カスガさんらしい。シンは?」
「『アキがオレの物になりますように』!」
「ぶっっ!!」
飲みかけたお茶がコップに舞い戻る。
「シン!」
「ま、まぁ良いじゃないか。ではオルタはどうじゃ?」
「僕は『弟が欲しい』!」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
辺りが急に静まり返る。
意識していてもしていなくてもカスガさんを直視できない。
おじいちゃんはおじいちゃんで何と返そうか必死に言葉を捜している。
たった一人を除いて・・・
「くくく、あははははは!!
オルタ、ナイスだな!俺もそうしよっと!」
その言葉に立ち上がる。
「「シン、やめなさい!!」」
言葉が重なり隣を見ると真っ赤になってなだめようとするカスガさんがいた。
目が合って思いきりそらしてしまう。
だめだ、見ることが出来ない。
というより、これからどうしたらいいの!?
あれこれ悩んでいるとおじいちゃんが口を開いた。
「オルタももうそんな年頃になったんじゃの。
お兄さんになってみたいと思ったんじゃの。
えらいぞ、オルタ」
頭を撫でてもらい得意げなオルタを見ると私の言動がいかに幼稚だったかを物語っていた。
「・・あの、ゴハンにしよっか!」
台所に立っても先程の事が頭から離れない。
『弟が欲しい』
おじいちゃんも言っていたけれどオルタもお兄ちゃんになりたいという願望が出てくる年頃なんだと
知らされた。
「なんじゃ、さっきのことが頭から離れんようじゃの?」
心配しておじいちゃんが隣に立った。
「うん、だって弟ってことは」
「ワシもそう思う」
突然の言葉に包丁が止まる。
「え」
「もうアキもえぇ歳じゃ。カスガさんも良い青年じゃしワシにも子供らにも良くしてくれとる。
こういうことは女方の親から言うもんじゃろが生憎おらんからのぉ。
孫の顔も見てみたいのぉ」
「じゃあ『ミヤズ』から『キセナ』に変わっていいの?」
「そうしたいと心から願うならそうされれば良い」
ポン、と肩を叩かれる。
苗字が変わる=結婚。
チラっと振り向くと4人で机を囲んで食事をする光景が目に入った。
「悪く、ない、かも」
3年後、私はアキ・ミヤズからアキ・キセナへと名前を変え男の子と女の子の双子を産んだ。
シンやオルタは妹と弟が出来たと大喜びをして、おじいちゃんは「よぉ頑張った!」と褒めてくれた。
カスガさんは目に涙を溜め、双子を嬉しそうに眺めている。
年に一度、織姫と彦星が出会える日。
「おじいちゃん、竹笹取ってきたよ~」
アキは取れたての笹を抱えて家に入る。
「おかえりアキ!
竹笹なんてどうするの?食べるの?」
オルタが目を丸くして聞いた。
「そうそう、パンダみたいにムシャムシャって、んなわけないだろ!」
すっかりお兄さん気取りのシンがつっこむ。
「そっか。オルタは知らなかったか。
7月7日はね、織姫様っていう綺麗な女の人と彦星様って言う男の人が年に一度会ってもいいよ
って言われてお星様の川でお話したりできる日なの。
『たなばた』っていうのよ」
「ふぅん、で、笹は?」
「その七夕にね、竹笹にお願い事を書いて川に流すと書いた事が叶うんだって」
「へぇ~」
「・・・あーもうっ、早速書こうぜ、オルタ」
「うんっ!」
「おぉ、立派な竹を選んできたんじゃのぉ~」
家の奥からおじいちゃんが顔を出した。
引き続いてカスガさんも顔を出す。
「見事だな」
「えへへへ、頑張っちゃいました」
「うんうん、立派じゃ。さてワシも書くかのぉ」
「では私も・・・」
「あ~カスガさん。書く前に手伝って欲しいんですけど。
笹を立てて、飾りつけの手伝いをしてほしいんです」
「うむ、分かった」
机ではあれやこれやとおじいちゃん達がはしゃいでいた。
「これが終わったらゴハンにしますね」
「・・しかし、いいもんだな」
「え、何がですか?」
カスガさんがつぶやくように言った。
普段は真顔な彼の顔が穏やかになっていた。
「こうしてアキの手伝いをして、傍らではシンやオルタが騒いでトウラ殿がいて。
家庭的だと思う」
何気ない一言に顔中が赤くなる。
「か、家庭的!?」
「幸せな家族の絵のように感じるのだ」
冷静になれば確かにそうだった。
オルタはカスガさんに懐いているしおじいちゃんは信頼してくれている。
シンはライバル視してるようだけど・・・
「ふふ、そうですね。
あ、その飾りで最後です」
「そうか、もう終わったか」
「おつかれさまでした」
脚立を降りるのに差し出された手に甘える。
降りようと足を下ろすと抱きかかえられすんなりと地面に着いてしまった。
「あ、すいません」
「構わぬ。さて、我々も書くとしよう」
「はい!」
「出来たー!!」
最後の一枚を書き終えて全員が手を叩く。
「さて、あとは笹にくくりつけるだけだけど。
おじいちゃんは何て書いたの?」
「わしか?ワシは、ほれ『みなが健康でありますように』じゃ」
「うん、いいね。カスガさんは?」
「トウラ殿と似ているな。『幸せでありますように』だ」
「カスガさんらしい。シンは?」
「『アキがオレの物になりますように』!」
「ぶっっ!!」
飲みかけたお茶がコップに舞い戻る。
「シン!」
「ま、まぁ良いじゃないか。ではオルタはどうじゃ?」
「僕は『弟が欲しい』!」
「・・・」
「・・・」
「・・・」
辺りが急に静まり返る。
意識していてもしていなくてもカスガさんを直視できない。
おじいちゃんはおじいちゃんで何と返そうか必死に言葉を捜している。
たった一人を除いて・・・
「くくく、あははははは!!
オルタ、ナイスだな!俺もそうしよっと!」
その言葉に立ち上がる。
「「シン、やめなさい!!」」
言葉が重なり隣を見ると真っ赤になってなだめようとするカスガさんがいた。
目が合って思いきりそらしてしまう。
だめだ、見ることが出来ない。
というより、これからどうしたらいいの!?
あれこれ悩んでいるとおじいちゃんが口を開いた。
「オルタももうそんな年頃になったんじゃの。
お兄さんになってみたいと思ったんじゃの。
えらいぞ、オルタ」
頭を撫でてもらい得意げなオルタを見ると私の言動がいかに幼稚だったかを物語っていた。
「・・あの、ゴハンにしよっか!」
台所に立っても先程の事が頭から離れない。
『弟が欲しい』
おじいちゃんも言っていたけれどオルタもお兄ちゃんになりたいという願望が出てくる年頃なんだと
知らされた。
「なんじゃ、さっきのことが頭から離れんようじゃの?」
心配しておじいちゃんが隣に立った。
「うん、だって弟ってことは」
「ワシもそう思う」
突然の言葉に包丁が止まる。
「え」
「もうアキもえぇ歳じゃ。カスガさんも良い青年じゃしワシにも子供らにも良くしてくれとる。
こういうことは女方の親から言うもんじゃろが生憎おらんからのぉ。
孫の顔も見てみたいのぉ」
「じゃあ『ミヤズ』から『キセナ』に変わっていいの?」
「そうしたいと心から願うならそうされれば良い」
ポン、と肩を叩かれる。
苗字が変わる=結婚。
チラっと振り向くと4人で机を囲んで食事をする光景が目に入った。
「悪く、ない、かも」
3年後、私はアキ・ミヤズからアキ・キセナへと名前を変え男の子と女の子の双子を産んだ。
シンやオルタは妹と弟が出来たと大喜びをして、おじいちゃんは「よぉ頑張った!」と褒めてくれた。
カスガさんは目に涙を溜め、双子を嬉しそうに眺めている。
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