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LOVE カヌチ
『LOVEカヌチ』へのようこそ!                    日記が主流ですが時々、創作SSだったりオリジナルを上げてます。 是非、読んでってくださいね☆
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「アキ~、遊びに来たよ~ってあれ、いないの?」
「お前なぁ人ン家のドア蹴破るなよ」
いきおいよく入って来たタカミを叱るウキツ。
この2人は国家警備の突撃隊メンバーで取締りが厳しい。
言い訳をするとおっかないらしい・・・
そんな2人が来たのは鍛冶屋だった。
退屈、退屈とうるさいタカミをアキに押し付けようと来たのだが留守にしていた。
「だって・・・めんどくさいしさ・・・」
「またやっちゃったんですね、タカミさん」
「ウキツ、手伝おうか?」
クスクスと笑うヒノカとミトシ。
どうやら通りすがりのようで全開になっていたドアが気になって声をかけた。
「おう、ミトシ。そっち持て」
「うん」
「アキがいないんだ、せっかく遊ぼうと思ったのに」
「石でも拾いに・・ってあれ?お弁当?」
ヒノカは依頼書のある台に目を止めた。
ちゃんと布にくるまれたお弁当らしきものが台の上に乗っていた。
「ほんとだ。忘れ物?」
「あぁ?そうだろうな、重いし」
ウキツが持ち上げてみる。
確かに中身が入っているように重い。
「どこに行ったんでしょう?」
「あっれぁ~めずらしい人がいるんだねぇ」
考えている最中、ドアからまた声がした。
「シン!」
「よっす、どしたの?」
「うわ、酒くせっ!!
 いや、アキがさ、忘れもんしてったみたいなんだがどこ行ったかなって・・・
 タカミ何してんだよ!!」
見るとタカミが今にも布を解こうとしていた。
「え、食べよっかなって」
「食べちゃダメー!!」
「なんでだよ、忘れ物でしょ?食べちゃえばいーじゃん」
「タカミさん、あなたって人は」
ヒノカが頭を抱える。
「そうそう、いくら忘れ物でも食べちゃいかんでしょ」
「そうだな、シン。全くだ」
「でっしょー、カスガ。って、おやっさん!!」
ドア付近で仁王立ちのカスガとオウバ。
タカミ・ウキツ・シンの所属する警備隊の隊長2人。
「お前ら!任務はどうした!シン、お前また無許可の外泊だったな!」
「うげっ!」
「や、やだな~任務はちゃんとしてるじゃん。
 アキのお弁当はどこに持っていったらいいのか話合ってたんだよ」
「では、さっきの行動は何だ、タカミ」
すぅっと人影が現れ、ウキツの隣で止まる。
「何っで、いっつもお前は俺の隣なんだよ!!」
「い、いやーお腹減ったなぁって」
時計を見上げるともう1時を指していた。
「ヒノカ、ミトシ。お前達ならば視えるであろう?」
「それが研究で今日の分、使ってしまって」
ミトシとヒノカはフタバの元で魔術の研究を重ねていた。
「徹夜、だったしね」
「ふむ」


「何でドアが、ってなんだこの人数!」
「クラトうるさ・・・って隊長、サナト、ミトシ、ヒノカまで!」
話し合いを続ける中、最後の双子が顔を覗かせた。
「どうした・・・ってイテテ、アクト痛い!!」
アクトが慌ててクラトの衿を掴む。
「クラト。話には関わらんほうがいい。
 何故か胸が騒ぐんだ。その方が安全・・・っていないし!」
掴んだはずの衿はなく、クラトは再び話の輪の中に入っていった。
「石を拾いに行ったなら鍵は閉めるだろ」
「分からんぞウキツ。鍵もかけ忘れるほど急いでいた可能性もある」
「ってことはヨロハか、オウバ殿」
「僕たちヨロハ付近にいたけど会わなかったよ。ね、ヒノカ」
「えぇ」
「じゃあ、モルトカ?」
「それはない、タカミ。私は家からここまで来たが会っていない」
「向こうの家でもないぞ。オルタの様子を見に行ったついでに寄ったが鍵がかかっていた」
「じゃ、やっぱりウキツさんの言う通り石かな。
 みんなが通ってないスワトミとかオウニとか」
「パク」
全員がアクトを見た。
アクトの膝には解かれた布と開けられた弁当箱が置いてあった。
「「「あーーーーー!!」」」
「ちょ、おま、怒られるって」
「そうだよ、アキ怒ると恐いんだから」
「ここは鍛冶屋。刀はたくさんある。アクト死にたくなくば吐き出せ」
10人余りの大の男が店の中で騒ぐ中、走ってくる一つの足音。
「あーやっぱり鍵かけ忘れ・・・てた・・・ってそのお弁当。アクトさん!」
店の主人は男たちをかき分け中心にいたアクトの肩をつかんだ。
「・・・んぐっ!アキ!?」
「飲み込んだんですか!?吐いてください!!」
「はぁ??」
「はぁ??じゃないです、吐いてください!
 それ3日前の物なんです!!」
アクトの顔が青ざめていくのが分かった。


「もうこれで大丈夫でしょう。
 しばらくお腹を壊す事があるかも知れませんが、ま、自業自得ってことで」
「うぅ・・・」
「辛い?アクト」
ヒノカの介抱で一命(?)を取り止めたアクト。
「あのお弁当はオルタにおじいちゃんにって持たせるつもりだったんですけど
 忘れてっちゃって。
 その日に気付いて電話して明日には取りに来るよう言ってたんですけど結局来ず。
 私も今日は期限間近のものが入ってて慌てて出てってしまったんで」
テーブルの周りでは隊長2人の尋問が始まっていた。
「あれほど鍵には気を付けるよう言っておいたはずだが?」
カスガの優しい言葉が胸に刺さる。
「ごめんなさい」
「まぁ、人のものに手を出したアクトも悪いんだがな」
オウバがちらっと見た。
「誰かさんみたいだね」
「うるせ、タカミ」
シンがタカミを軽く小突く。
「痛っ」
「けけけ」

平和なタカマハラのちょっとした事件?でした。


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