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LOVE カヌチ
『LOVEカヌチ』へのようこそ!                    日記が主流ですが時々、創作SSだったりオリジナルを上げてます。 是非、読んでってくださいね☆
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はい、続きです。


ではどうぞ♪


※文の構成上、多少短いです。ゴメンナサイ




「ごちそうさまでしたっ!!」
「はい、お世話様でした」
夕飯時刻になってもカスガさんは帰ってこなかった。
ぽつんと主の帰りを待つかのように机の上に残された食事を見てまた嫌な思いが
こみ上げてくる。
胸のうちが騒がしくなり、ザワザワとうるさい。
目を閉じると奥から暗闇が迫ってきて私を飲み込んでくる。
以前にもミトシ君とヒノカ君に会った時もこんなことがあった。
「あ!危ない!!」
「え」
突然の声にビックリして目を開けると部屋の中で投げ合っていたボールが顔に当たり
弾みで洗っていた皿を落としてしまった。
「ご、ごめんなさい…アキ、ごめんなさい」
真っ先に駆けてきたオルタとシン。
2人とも泣き顔で必死になって謝ってくる。
泣きながら割れた皿を片付けようとするシン。
「だめ!触っちゃ!!」
奪うように取った皿は私の手に軽く刺さり少し出血した。
『あぁ、私、ほんとにどうしたんだろ』
血とビックリしたのとで大声で泣き出したオルタ。
つられて泣き出すシン。
私まで泣きたくなってきた。
ちょうどその時、下で戸が激しく開く音がして同時にバタバタと駆け上がる音がした。
足音で分かる。カスガさんが帰ってきた。
「どうした!!外まで声が、ってどうしたんだ一体!!」
粉々になった皿の前で泣き顔の3人。


騒ぎで起きてきたおじいちゃんも加わり、なんとか片づけをして2人を寝かせた。
冷えてしまった食事を温めているとおじいちゃんがすっと手を出してきた。
「何かあったんじゃろ?帰ってきてからのアキは少しおかしかったからの?
 今日はゆっくり休みなさい」
暖かい言葉が胸に染みる。
私はコクンと頷いて部屋に戻ろうと振り返った。
『何だか今日は疲れた』
ゆっくり休もうと一歩足を進めた時、ふらついて倒れそうになった。
「危ない!」
カスガさんに支えられて倒れることはなかった。
だけどそのニオイに支えられた腕を振りほどいた。
体中がドクンドクンと波打つ。
いつものカスガさんのニオイじゃない。
「いつもの、カスガさんのニオイじゃない…」
フツイ地方で採れるフツイの実独特のニオイ。
「なにを言って」
「どうして?どうしてなんですか?どうしてこんないいニオイがするんですか!」
頭に血が上るのが分かる。
こんな感覚は初めてでどうしたらいいか分からない。
気が付くとカスガさんのむなぐらを掴む形になった。
「やめなさい、アキ。どうしたんじゃ、一体。
 冷静になって話をしよう、な?」
「…」
カスガさんは何も言わず解いた髪を触ろうと手を伸ばした。
   パシッ!!
その手を跳ね除け、私は下に降り外へ飛び出した。
『コワイ、コワイ、コワイ…』
戸を出た時、誰かとぶつかったような気がしたけどそんなのは今はどうでも良かった。
今はこの感情が怖い。
走って、走って、私は草の上にうつぶせになった。
誰かに助けてほしくて、怖くて、こんな感情がただ怖くて。
それから、カスガさんが誰かに取られるのが怖くて。

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